【完全版】訪問介護事業で負担となるスケジュール管理を効率化する方法 

2023年04月04日

訪問介護の現場で負担となっている業務のひとつとして挙げられるのが、「スケジュール管理」です。複数のヘルパーさんのスケジュールと、利用者さんの要望やスケジュールをあわせて考えなければならないためです。

万が一、抜け漏れや調整ミスがあった場合、命に直結する問題にもなりかねません。本記事では、訪問介護のスケジュール管理における課題と効率化のポイント、便利なシステムについて解説します。

訪問介護のスケジュール管理が負担となる3つの理由

まず、訪問介護のスケジュール管理が他業態と比べて負荷になりやすい理由についてです。

理由は3つあります。

  1. スケジューリング量の増加により手間も増えている
  2. 訪問ルートを調整する手間がかかる
  3. スケジュール管理ツールを扱う手間がかかる

①:スケジューリング量の増加により手間も増えている

訪問介護の依頼件数は、近年の高齢化によって需要が増加傾向にあります。

事業所にもよりますが、ヘルパーさんを200人~300人抱え、月に数百、数千のスケジュールが入ってくることもあり、事業所の担当者さんは、他業務の合間に調整業務を行わなければなりません。

また、人が人に提供するサービスなので、以下のようなことも日常茶飯事です。

  • 訪問するヘルパーさんの事情でお休みを取らなければいけなくなった
  • ヘルパーさんと利用者さんの相性が悪く、別の人をあてなければいけなくなった
  • 利用者さんの事情でアポイントがキャンセルになった
  • 利用者さんの体調の急変で、急遽訪問が必要になった

その場合は代わりのヘルパーさんをあてたり、キャンセルになった枠を他の訪問にまわすなど、柔軟にスケジュールを組み直さなければなりません。

訪問介護業界は、似た業態の訪問看護よりも優先順位が低く考えられ、スケジュールがキャンセルされる可能性が高まることもあり、スケジュールを考える時間は毎日のように発生します。

スケジュールの作成が発生する件数が増えれば増えるほど、事業所ではスケジュール管理に追われることになります。結果として、人手不足により対応件数が増やせなくなってしまう可能性も考えられるでしょう。

②:訪問ルートを調整する手間がかかる

スケジュールは単に埋まればよいというわけでもありません。なぜなら、訪問という業態上、スケジュールとスケジュールの間には移動や休憩が発生するからです。

訪問介護の利益は、1日に訪問できる件数と訪問あたりの単価によって決まります。

ヘルパーさん1人あたりの1日の訪問件数は5〜6件程度とも言われています。もし、現状1日あたり4件程度の訪問が1件でも増やせれば、30日で30件×単価分の売上・利益が発生します。

1日の訪問件数は、1件の訪問時間や訪問先だけでなく、移動手段によっても大きく変わってきます。車かバイクか自転車か徒歩か、ヘルパーさんごとに考慮しなければなりません。

移動に時間がかかってしまうと、対応できる件数が減り、手間の割に利益が残らなくなってしまいます。

そのため、できるだけ移動の負荷を減らして多く訪問ができるスケジュールを組むことが重要です。

「AさんはB町からC町に移動するので、間の時間はこれくらい空けておこう。Dさんは…」と1件1件ルートを考えながら、複数人のスケジュールを組み合わせる作業が積もり積もると、負担になってしまいます。

現場からは、万が一の事故が起こらないような「無難な」スケジュール調整をすることに手一杯だという声もあがっています。

③:スケジュール管理ツールを扱う手間がかかる

訪問介護の現場で行われているスケジュール管理の手段として、「手書き(紙やホワイトボード)」「エクセル」「スケジュール調整サービス」の3つが挙げられます。

とくに、「手書き」「エクセル」が一般的でしょう。手書きやエクセルは、ツールそのものにコストがかからないというメリットはあります。

しかし、時間をかけて作り上げたスケジュールも、完全ではない場合があります。例えば、以下のようなケースが考えられます。

  • 他の人が見ると、もっと効率の良いまわり方が数多く見つかった
  • 緊急訪問が多く、考えたスケジュールとはまったく違うスケジュールになった
  • 手書きが見づらかったために読み間違いが起こり、ヘルパーさんや利用者さんに迷惑がかかってしまった

また、当日に利用者さんからリスケジューリングをお願いされたとします。その場合、スケジュール管理担当は、訪問のために外出しているヘルパーさんに連絡するため、通常業務の手を止めなければなりません。

訪問中のヘルパーさんが業務中で電話に出られない場合、電話に出るまで掛け直しを行うなど、神経をつかうことにもなるでしょう。

このように、アナログなスケジュール管理により、付帯する業務が次々と増え、負担になるケースもあります。

とはいえ、デジタルへの移行が難しい事業所もあるでしょう。そこで次は、スケジュール管理を効率化させるためにすぐ使える「考え方」についてお伝えします。

訪問介護のスケジュール管理を効率化させる5つの考え方

では、訪問介護のスケジュール管理を効率化させるために必要な観点について説明します。以下、5つあります。

  1. 法律・労働条件を守る
  2. スケジュール管理はできるだけ専任担当が一元管理する
  3. ヘルパーさんの移動時間や休憩時間を記録・ルール化しておく
  4. 訪問内容・業務時間・担当ヘルパーさんのスキルや相性を考慮する
  5. スケジュール変更時の対応を準備しておく

①:法律・労働条件を守る

アポイントが詰まってくると、どうしても休憩の取れないスケジュールや、労働条件外の労働が発生するスケジュールになり、結果的に、労働基準法に反するような形になる可能性があります。

また、国の制度として、「介護度によって受けられるサービスが異なる」「1日2回支援を受ける場合は2時間以上間を空ける」などのルールもあります。

労働者、サービス利用者に適用される法律・労働条件を守った業務配分にするのは、当たり前のこととはいえ重要ポイントです。

利用者さんの命や満足度はもちろん、訪問してくれるヘルパーさんも生身の人間です。それぞれの負担や気持ちなども考慮してスケジュールを組むようにしましょう。

②:スケジュール管理はできるだけ専任担当が一元管理する

スケジュール管理を複数人で行うことで、ダブルブッキングの発生、引き継ぎ漏れ、記入内容の勘違いなどが発生する可能性が高まります。

できるだけ担当者を一元化するか、「◯◯エリアはAさん」「△△エリアはBさん」のように責任の所在が明確になるようにすることで、ミスを防ぐことができます。

また、通常業務を行う人がスケジュール管理を兼務することで、考える時間が取れなくなったり、急な残業の発生も考えられます。

できるだけ担当は専任でつけることで、ゆとりを持ってスケジュールを組む体制を作ることができるでしょう。

③:ヘルパーさんの移動時間や休憩時間を記録・ルール化しておく

訪問にかかる移動距離・時間を効率化することは、訪問件数を増やしていくことにもつながります。

一方で、時間を詰めすぎて業務に支障をきたすことで、信頼・評判・口コミの低下につながってしまうことも事実です。

そこで、繰り返し発生しそうな事項をルール化することで、誰が担当になっても質の変わらないスケジュール管理を実現することが可能になります。

例えば、以下のような内容です。

  • よく移動が発生するA町からB町は30分の時間を見ておく
  • 12時前後の移動が発生する場合は、昼休憩1時間を必ず入れる

④:訪問内容・業務時間・担当ヘルパーさんのスキルや相性を考慮する

移動時間や休憩時間のルール化同様に、業務や担当者の質についての考慮も必要になります。

例えば、以下のような内容です。

  • 訪問内容はどのようなものか
  • どれくらいの時間がかかるのか
  • 担当ヘルパーさんは依頼された業務に対応可能かつ時間内に終わらせられるか
  • 利用者さんに合いそうなヘルパーさんを割り当てられているか

1つの訪問で想定以上の時間がかかってしまうと、次の訪問先に遅れる事態が発生します。

また、ヘルパーさんが腰を痛めているなどの事情で「身体介護NG、生活支援のみOK」といった働き方の希望が出ていることや、利用者さんとの相性によってもスケジュールは変動します。

これらの質の部分を考慮し、スケジュールに反映させる際のルールを決めておくことが重要です。

⑤:スケジュール変更時の対応を準備しておく

訪問介護では急なスケジュール変更が起こることは珍しくありません。

たとえば、利用者さんの

  • 急な体調不良
  • ショートステイなど家族行事による訪問介護優先度の低下

ヘルパーさんの

  • 怪我による移動範囲の制限
  • 子どもの発熱による欠席

などが起こりえます。

スケジュール変更が起こったときに、都度対応を考えていると、それだけで負担になってしまいます。

何か起こったときにどのように対応するかを検討し、事前に決めておくことで、通常業務への支障を減らすことが可能です。

とくに、属人性が高い業務があり、唯一その業務ができる人が欠勤した場合、どのような対応をするかについては優先して考えておきましょう。

ここまではアナログ管理、デジタル管理問わず使える考え方に焦点を当ててきましたが、費用をかけてでもシステム化に移行することで、これらの事項を考えなくてよくなることもあります。

最後に、スケジュール管理システムを使った場合、どのようなメリットが生じるかについてまとめます。

訪問介護のスケジュール管理を効率化させるシステムを使うメリット

先述したように、スケジュール管理は「手書きツール」「エクセルやGoogleスプレッドシート」などが利用されていることが多いです。

書き直しがしやすい、共有しやすい、費用がかからないなどのメリットはありますが、スケジュールを反映する前に「人が考える」手間がなくなるわけではありません。

そこで、システムを使ってスケジュール管理をしたときにどのような部分が楽になるかを挙げていきます。

①:スケジュール調整・変更作業の手間がなくなる

スケジュール管理システムを使うことで、普段のスケジュール管理はもちろん、急な変更があっても、簡単な操作で再調整をすることができます。

ヘルパーさんのシフトや利用者さんとの相性、スキルや移動時間など、考えなければいけない多くのことをスケジュール管理システムが記憶してくれているので、スケジュール管理の手間や、スケジュール管理で発生していた残業時間を削減できます。

②:スケジュール共有の手間がなくなる

スケジュール管理の手間が減っても、スケジュールを共有するための連絡に時間がかかってしまうと、現場に出ているヘルパーさんに電話するなど細かい手間が発生してしまいます。

スケジュール共有をシステム化することで、ヘルパーさんはスマホでシステムを見るだけで、次にどうすればよいか一目でわかるようになり、引き継ぎの手間が省けます。

さらに、システムの中には業務完了報告も合わせて行うことができるものもあります。
その場合、システムの「業務完了ボタン」を押すだけで管理者に報告することができ、現場の手間も減らすことができます。

もちろん、事業所として「変更が発生した場合は必ず電話確認を取る」というルールがある場合もあるので一概に手間がまったくなくなるとは言えませんが、システム導入を期にルールを見直すという考え方もあるでしょう。

スケジュール管理を効率的に行い利用者さんと向き合うことに時間を活用しよう

以上、訪問介護のスケジュール管理効率化について解説してきました。

介護によって利用者さんを助けることがサービスの価値なのに、スケジュール管理のような利用者さんと向き合う以外の部分に時間を使うのは、できるだけ避けたいところです。

本記事に記載したヒントをもとに自社の動き方や編成、予算配分などを見直し、時間やコストをかけるところ、かけないところを見直してみてはいかがでしょうか。

弊社では「サポスケ」というスケジュール管理サービスを運営しています。スケジュール管理のサービスはいくつもありますが、とくに訪問介護、訪問看護など、どこかに誰かを派遣してお仕事をする業種の方が使いやすいように設計されているという特徴があります。

もし現場の負荷を減らすことに興味がございましたら、こちらのボタンから詳細資料のダウンロードができますので、ご参照ください。

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この記事を書いた人

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