ビルメン業務をDXで見える化! 紙とホワイトボードを手放せる管理アプリまとめ

2025年12月04日

ここ数年、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉を耳にする機会が増えましたが、「IT化」と混同されることも少なくありません。

しかし、この2つは本質的に異なります。

IT化とは、これまで紙やホワイトボードなどで行っていた作業を、システムやアプリなどのデジタルツールに置き換えることを指します。たとえば、清掃スケジュールをExcelで管理したり、報告書をクラウドに保存するようにするのは「IT化」です。

一方で、DX化は「業務の仕組みそのものを変えること」を目的としています。単にツールを導入するだけでなく、現場の情報共有や意思決定のスピードを高め、人材不足や属人化といった課題を根本的に解決するアプローチです。

ビルメンテナンス業務においても、DX化によって「誰が」「どこで」「何をしているか」をリアルタイムで可視化できるようになります。紙やホワイトボード中心の管理では見えなかった作業のムダや遅れを把握し、チーム全体で改善していくことが可能になります。

DX化で成果を出しやすい業務

① スケジュール・シフト管理業務

ビルメンテナンス業務では、複数現場の担当者を日ごと・時間ごとに振り分ける必要があります。紙の台帳やホワイトボードでの管理では、変更や引き継ぎのたびに更新が発生し、情報のズレが起きやすいのが課題です。

DX化によって、シフトや作業スケジュールをアプリで一元管理すれば、スマホから即時に確認・更新が可能になります。

また、作業者の位置情報や進捗をリアルタイムで共有できるため、人員配置の最適化やムダな移動の削減にもつながります。

② 報告業務

清掃・点検などの現場報告は、紙のチェックシートや電話・口頭報告が中心のままだと、記録の抜け漏れや確認作業の手間が発生しやすくなります。

報告業務をDX化すれば、スマホやタブレットから作業写真の添付、点検結果の入力、完了報告の送信がその場で完結。

管理者はクラウド上で全現場の報告を一覧できるため、確認・承認のスピードが飛躍的に向上します。
また、データが蓄積されることで、作業品質の可視化や改善分析にも活用できます。

③ 図面の共有業務

設備点検や修繕対応では、図面の参照は欠かせません。

しかし、紙の図面を現場に持ち歩くのは非効率で、最新版がどれか分からない、破損・紛失のリスクがあるという問題もあります。

DX化により、図面をクラウド上で共有・管理することで、常に最新の情報を現場全員が共有できます。
また、スマホやタブレット上で注釈を書き込んだり、履歴を残したりすることで、現場間の連携や引き継ぎの精度が上がります。

DX化が進まない理由

DX化が進まない理由① ホワイトボード・紙での業務が根強い

ビルメン業務の多くは、いまだに紙の点検表やホワイトボードでのスケジュール管理に依存しています。

こうした運用は現場で即座に確認できるという利点がある一方、情報の更新や共有が属人的になりがちです。

現場ごとに異なる書式や記入ルールが存在するため、デジタルツールに移行する際に標準化が難しいという問題もあります。

また、「これまで問題なく回ってきた」という認識が強く、紙文化から脱却する必要性を感じにくい現場も少なくありません。

その結果、データの活用や遠隔でのマネジメントといったDXの基盤づくりが進まない状況が続いています。

ビルメンテナンス業界は、他業種に比べて平均年齢が高い傾向があります。

長年の経験をもとに現場を回してきたベテラン作業員が多く、スマホやタブレットの操作に苦手意識を持つ人も少なくありません。

「新しいツールは難しそう」「紙の方が早い」という心理的ハードルが、DX化を阻む要因になっています。

また、教育や研修の時間を確保しづらい人員体制も、デジタル導入を後回しにしてしまう理由のひとつです。

そのため、DX推進の第一歩としては、誰でも使いやすく、現場にストレスを与えない設計のアプリやシステムを選ぶことが重要です。

DX化が進まない理由③ 中小企業が多い構造的課題

ビルメンテナンス業界は、中小企業が大半を占める産業構造になっています。

そのため、DX化に必要なシステム投資や人材育成にコストを割けないケースが多く見られます。

また、現場中心の業務体制ゆえに、「IT担当者がいない」「何から始めればいいかわからない」といった課題も発生しやすいのが実情です。

結果として、大手企業を中心にDXが進む一方で、中小規模のビルメン企業では取り残されるケースが少なくありません。

ただし、近年ではIT補助金の活用や、月額制の低コストな業務管理アプリの普及も進んでおり、中小企業でもDX化を始めやすい環境が整いつつあります。

失敗しないDX化のポイント

失敗しないDX化のポイント① 現場への聞き込みを行う

DX化の失敗でよくあるのが、現場の実情を無視してシステムを導入してしまうことです。

管理部門や経営層の意向だけで選んだツールは、実際の作業フローとかみ合わず、現場が使いにくいと感じて定着しません。

導入前には、清掃スタッフや点検担当者など、現場で日常的にアプリを使う人の声を丁寧に拾うことが大切です。

「どの作業が負担になっているか」「どのタイミングで記録を取るか」といった細かな課題を把握することで、現場が自然に使いこなせる仕組みを作ることができます。

失敗しないDX化のポイント② ツールの“定着しやすさ”を重視する

DX化は、導入よりも定着させることの方が難しいといわれます。

どんなに多機能でも、操作が複雑だったり、現場で通信環境が悪く使えなかったりすれば、結局紙やホワイトボードに戻ってしまいます。

ビルメン業務に適したツールを選ぶ際は、

  • スマホで簡単に入力できる
  • 画面構成がシンプルで直感的
  • オフライン環境でも使える
    といった「使いやすさ」を重視することが重要です。

また、導入後はマニュアル整備や初期研修のサポートを行うことで、現場への定着率をさらに高められます。

失敗しないDX化のポイント③ アプリの汎用性を意識する

ビルメン業務は、清掃・点検・修繕など、複数の作業が連携して動いています。

そのため、特定の作業だけに特化しすぎたツールでは、かえって管理が分断されてしまうことがあります。

DXを成功させるには、スケジュール管理・報告・図面共有など、複数の業務を一元化できるアプリを選ぶのが理想です。

汎用性の高いアプリであれば、導入範囲を徐々に広げながら運用でき、将来的なシステム統合にも柔軟に対応できます。

また、他システムとの連携(勤怠管理・チャットツールなど)が可能なものを選べば、業務全体のDX化をスムーズに推進できます。

おすすめのアプリ

おすすめのアプリは以下の通りです。なお、アプリはこちらの記事でも紹介しています。

設備管理系のビルメンテナンスと清掃系のビルメンテナンスに分けてアプリを紹介しているので、アプリを詳しく知りたい方はご覧ください。

サポスケ

画像引用:https://saposuke.jp/

サポスケは、現場で作業する人のスケジュール管理に特化したサービスです。

サポスケの特徴は、誰でも使いやすい画面のシンプルさと、エクセル、Googleカレンダーのようなカスタマイズ性の高さです。

誰でもサポスケは使いやすいように、必要な機能を厳選し、無駄な機能を省いており、シンプルで無駄のない構成です。

カレンダーの表示形式(日数単位の表示や案件ごとなど)の変更はボタン1つで行える他、会社ごとに設けている独自の項目(車両運用など)も表現できます。

サポスケでは、現場にスタッフを派遣するタイプの仕事をしている会社であれば対応できるアプリです。特に一日に複数の現場を回るような運用の場合は、サポスケの見やすさが役立つでしょう。

また、現場の生の声を元に作られたオプションも豊富に用意されており、現場のアナログな作業のDXに貢献できます。

サポスケの料金は初期費用+月額料金となっていますが、料金は現場の規模により異なるので各自お問い合わせください。

公式サイトはこちら

主な機能

  • スケジュール管理 
  • 打刻
  • 報告書のCSV出力
  • アラート(ダブルブッキングなどのミスに警告)
  • 未割り当て(案件が未割り当てスタッフを表示し、スケジュールを埋める)

現在のスケジュール管理の運用を再現できるか等の質問は、こちらから受け付けています。お気軽にご質問ください。

B-tracker

画像引用:https://b-tracker.olude.jp/

B-trackerは、株式会社東計電算が販売するビルメン業界のシフト、勤怠管理に使えるアプリです。

B-trackerの機能は大きく分別すると、打刻とシフト管理の2つに分けることができます。

打刻では、ガラケーの打刻にも対応しており、スマホを持っていないスタッフがいる場合でも利用できます。

また、打刻は、電話による打刻に対応する「ワンコール打刻」。QRコードにより打刻する「QRコード式打刻」、カメラによる体温測定とともに打刻が可能な「顔認証非接触型 勤怠打刻サービス」があります。

※QRコード式打刻と顔認証非接触型 勤怠打刻サービスは、同社のAI顔認証ソリューション「AiFa」を利用します。

シフト作成においては、登録された勤務パターンにより、シフト作成する時間を減らす機能があります。また、シフトでは日跨ぎや他拠点応援に対応したシフトも作成可能です。

料金は従業員数などに応じて料金が変わるため、導入を検討する場合はお問い合わせください。

公式サイトはこちら

主な機能

  • 打刻機能
  • シフト作成
  • 有給申請
  • GPSを利用した不正防止機能
  • 打刻がない場合のエラー表示

Smart Attack

画像引用:https://www.smartattack.jp/

Smart Attackは、現場の報告の手間を減らすためのアプリです。

清掃業界とビルやマンションの管理など、ビルメンテナンスの様々な仕事で導入されています。

Smart Attackは地図と連携して作業場所の確認と写真のアップロードにより簡単に報告書を作成できます。

また、受けた報告は素早く担当者に共有され、素早い対応ができます。また、報告内容をデータ化し分析を可能にすることで、エクセルでの報告書の作成管理のコストを削減します。

さらに操作性にも優れており、ドロップダウンや手書きなど、様々な操作方法が利用できます。

公式サイトはこちら

主な機能

  • オフライン利用
  • アラート機能(誤った場所で作業するときのアラート)
  • 報告内容自動保存
  • PDF変換(帳票のPDF化)

その他機能はこちら

スケジュール管理にお困りの方は

弊社では、GoogleカレンダーやTimeTreeなどの、スケジュール管理ツールを徹底比較する資料をご用意しております。

30秒ほどでダウンロード可能です。ツールごとの強みや弱みを詳しく知り、スケジュール管理を効率化したい方に向けた内容になっております。

> スケジュール管理ツール比較表をダウンロードする

蔵衛門

画像引用:https://www.kuraemon.com/

蔵衛門は、スマートフォン1つで黒板の作成、編集ができるアプリです。蔵衛門は、写真をとって事務所に送信することも容易で、素早い情報共有が可能になります。

蔵衛門では、蔵衛門内蔵のタブレット「蔵衛門Pad」などの商品も開発しており、黒板を主軸に一つのツールで統一したいと考える方におすすめです。

また、蔵衛門は無料で使うことができるプランもあります。使いこなせるかどうか不安な場合は、無料プランから初めて見ると良いでしょう。

有料プランでは、小規模事業者向けのライセンスパックと中規模以上(11名以上のみ契約可能)の事業者向けのエンタープライズのプランがあり、それぞれ一名あたりの月額が1,300円、600円〜となっています。

ライセンスプランでは黒板や図面の確認、編集等の確認に加え、メンバーの権限設定や台帳の自動作成、電子納品出力などの追加機能が利用可能になります。

エンタープライズでは、ライセンスプランの機能に加え、2要素認証の設定などのセキュリティ向上の他、蔵衛門Padなどの専用端末を安く購入できます。

公式サイトはこちら

スパイダープラス

画像引用:https://spider-plus.com/

設備管理におすすめのアプリ5つ目は、スパイダープラスです。

スパイダープラスは、電気設備や空調設備での導入実績があり、設備管理系のビルメンテナンスに便利です。

主に写真や図面の共有、工程の進捗管理が一目で把握できるほか、階ごとの工種の完了率の表示から、元請けにそのまま報告できる機能など、設備管理に特化しています。

スパイダープラスを使えば、写真や電子黒板、図面等をタブレットで管理できるほか、図面や施工状況は協力会社との共有が可能で、情報の共有や書類管理にかかる事務処理の手間を削減できるでしょう。

また、図面等の資料はタブレットで管理できるようになるため、ペーパーレス化を進めることができるでしょう。

業種によって活用方法をまとめた資料が公開されているので、アプリの利用イメージを掴みたい場合は下記の資料をご覧ください。

料金については、こちらの資料によると要問い合わせとなっております。

空調衛生設備業向けのスパイダープラス活用方法の資料はこちら

電気工事向けのスパイダープラス活用方法の資料はこちら

主な機能

  • 図面管理、メモ機能
  • カメラアイコン機能(写真撮影する箇所を表示)
  • 工事写真機能(写真のフォルダ分け)
  • 資料閲覧機能
  • 帳簿作成機能

MENTENA

画像引用:https://mentena.biz/news/20250416-2/

設備管理におすすめのアプリ6つ目は、MENTENAです。

MENTENAは、シンプルな使いやすさと手厚いサポートに定評があります。

MENTENAには3プランがあり、プランにより機能が異なります。全てのプランに、ダッシュボードやガントチャートなどの進捗管理と設備や部品などの在庫管理に使えます。

また、導入支援として、専門のスタッフによる複数回の講習を受けることができる他、アプリの活用方法のセミナーなども定期的に開催しています。

MENTENAの料金プランはプランにより異なります、料金は初期費用の200,000円と月額料金が80,000、120,000円、180,000円の3プランがあります。

すべてのプランにオンライントレーニングとメールサポートがついています。

料金とプランについてはこちら

主な機能

  • ダッシュボード機能
  • スケジュール・ガントチャート機能
  • チェック項目、チェックシート機能
  • 作業計画・履歴機能
  • リクエスト機能

その他の機能はこちら

まとめ:DX化で“見える管理”を実現し、現場の負担を減らそう

今回は、ビルメンテナンス業界でDX化が進みにくい理由や、DX化を推進するアプリを紹介しました。

ビルメン業務のDX化は、単なるシステム導入ではなく、「現場の見える化」と「業務効率化」を同時に進める取り組みです。

紙やホワイトボード中心の運用から脱却し、誰でも使えるツールを導入することで、スケジュールの調整ミスや報告漏れといった課題を減らせます。

この記事で紹介した6つのアプリはいずれも、現場に定着しやすく、ビルメン業務のDX化を後押しするツールです。

自社の課題に合ったものを選び、現場から無理なくDX化を進めていきましょう。

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