【訪問介護】ヘルパーさんの1日のスケジュールは?効率的な管理方法もご紹介 

2023年04月04日

高齢化社会が進む中、高齢者の約40%が、介護が必要になったら「自宅」で介護を受けたいと答えています。(出典:内閣府「高齢者の健康に関する意識調査」

訪問介護を必要とする方が増える一方、訪問介護事業所では、利用者さん宅を回るヘルパーさんのスケジュール組みや管理に苦戦している、という話をよく聞きます。

ヘルパーさんは一般的に、1日4〜5件の利用者さん宅を回ります。1件の訪問時間は、仕事内容により異なりますが、大体30〜90分程です。

このように1日の訪問件数が多いだけでなく、利用者さんの体調やヘルパーさんのシフトによってスケジュールの変動が多いため、スケジュール組みや管理に苦戦しています。

当記事を最後まで読んでいただくと、ヘルパーさんの1日のスケジュールと、ツールを活用した便利で簡単なスケジュール管理方法がわかります。ヘルパーを目指している方や、より効率的なスケジュール組みや管理方法を知りたいと考えている方は、業務の効率化に役立つことができるでしょう。

ヘルパーさんの1日のスケジュール

ヘルパーさんの1日のスケジュールをご紹介します。

8:30:朝のミーティング

訪問介護事業所へ出勤し、朝のミーティングに参加します。当日の訪問スケジュールと、利用者の情報を確認する重要な業務です。

ヘルパーさんによっては、情報共有を電話で行い、利用者さん宅へ直接向かう場合もあります。

9:00:午前の訪問

午前中に、2〜3件の利用者宅を訪問し、ケアプランで定められたサービスを行います。

午前中は、朝のおむつ交換をしたり、デイサービスへ利用者を送る準備をしたり、パジャマから洋服への着替えを介助したりと朝の準備から始まることが多いです。

提供するサービスはさまざまですが、例えば以下が挙げられます。

  • 「身体介護」:起床介助、排泄介助、清拭、入浴介助、体位交換など
  • 「生活援助」:調理、洗濯、掃除、買い物など
  • 「医療」:服薬介助・確認、点眼、薬の塗布、痰の吸引など(注1)(注1)医療項目は、介護士ができる範囲が法律で明確に定められています。特に痰の吸引は、「喀痰吸引等研修」を受けた介護士しか行えません。

また、不定期で「通院介助」といわれる、利用者の通院に付き添う仕事もあります。通院介助は終わりの時間が読めないので、普段よりも訪問数は減り、イレギュラーなスケジュールになることが多いです。

サービスを実施したら、利用者さんごとに、「サービス実施記録」を記入します。一般的に、「サービス実施記録」は、複写伝票になっていて、利用者さん宅用と訪問介護事業者用、ヘルパーさん用それぞれに分けることができます。

12:00:事務所に戻って昼休憩

お昼休みは、自由に過ごします。

13:15:午後の訪問

午後も、2〜3件の利用者さん宅を訪問し、ケアプランで定められたサービスを行います。提供するサービスは、前述のように「身体介護」「生活援助」「医療」とさまざまです。

特に午後は、以下のように、利用者さんが寝る前の準備をすることが多いです。

  • デイサービスから帰って来る利用者を出迎える
  • 夜ごはんを作る
  • 洋服からパジャマへの着替えを介助する

午前中と同様で、サービスを実施したら、利用者さんごとに「サービス実施記録」を記入します。

16:45:事務所に戻って作業

事務所に戻り、当日の「サービス実施記録」をサービス提供責任者へ提出します。

利用者さんの様子で変わったことや報告がある際は、責任者へ申し送ります。

17:00:終業

明日のスケジュールを確認して、退勤します。

このようにヘルパーさんは、1日に複数件の利用者さん宅を訪問します。訪問介護事業所によって数は異なるのですが、1日に何件訪問するかによって、スケジュール管理の難しさは変わってきます。

ここからは、ヘルパーさんの1日の訪問件数について説明していきます。

訪問介護の1日の訪問件数

ヘルパーさんの1日当たりの訪問件数は、平均4〜6件です。訪問件数は固定ではなく、日によって件数が変動することもあります。

ヘルパーさんの訪問件数が左右される要因は大きく4つあります。

  1. サービス時間
  2. 移動時間
  3. サービス内容の変更
  4. 経営方針

①:サービス時間

ヘルパーさんが当日回れる訪問件数は、訪問介護のサービス時間によって変わります。

介護保険を利用した訪問介護の場合、サービス時間の平均は60分程ですが、サービス内容によって30分〜90分と差があります。

30分のサービスを3件行うヘルパーさんと、90分のサービスを1件行うヘルパーさんで、稼働時間は同じですが、訪問件数は異なります。

②:移動時間

訪問介護のスケジュールを組む際、サービス時間だけでなく移動時間も組み込まなければなりません。サービス時間同様、移動時間の長さもヘルパーさんが当日回れる訪問件数に関わってきます。

ヘルパーさんの移動手段は、地域によって変わります。都市部では、徒歩や自転車が一般的ですが、郊外・田舎になると、原付やバイク、車を利用することがあります。

ほとんどの事業所でガソリン代は支給されますが、基本的にヘルパーさんの移動時間に賃金は発生しません。

どの訪問介護事業所もできるだけ移動時間を短くして、ヘルパーさんの負担を減らそうと努めていますが、利用者の住所はさまざまなので、スケジュールを効率的に組むことは困難です。

③:サービス内容の変更

予定していたサービス内容が変わる時も、訪問件数に大きな影響があります。例えば、利用者都合での、サービスのキャンセルや振替などです。

また、介護保険と自費のサービスを併用して、長時間の通院同行や、移動介助の依頼が単発で入る時もヘルパーさんのスケジュールは変動します。

④:経営方針

訪問介護事業所の経営方針によっても、ヘルパーさんの訪問件数が変わります。

ヘルパーさんの勤務時間内に、可能な限り訪問件数を入れて、ヘルパーさんの給与を上げることを目標とする事業所もあれば、スケジュールに余裕を持たせ、利用者と向き合う時間を大切にする事業所もあります。

ヘルパーさんの希望の働き方を考慮してスケジュールを組む事業所もありますが、業界として人材不足のため、訪問件数が多くなる傾向にあります。

このように決定された1日の訪問件数が多いと、その分スケジュール管理は難しくなります。

訪問件数以外にもスケジュール管理を難しくする要因があり、ここからは主要な3つの要因をご紹介します。

訪問介護のスケジュール管理における3つの難しさ

スケジュールは1度決めたら固定されるのではなく、日々調整や変更が入ります。各ヘルパーさんのスケジュールに、利用者さんのサービス予定をパズルのように当てはめていきます。

ヘルパーさんの訪問は、利用者の命に直結する問題なので、スケジュール管理はミスができない仕事です。訪問介護のスケジュール管理の難しさを3つにまとめました。

  1. 急な容態変化などで調整する必要がある
  2. 相性やスキルを加味する必要がある
  3. 変更したスケジュールを都度周知する必要がある

①:急な容態変化などで調整が多くある

利用者さんの容態の変化や予定に合わせて、スケジュールの時間をずらしたり、別のヘルパーさんに割り当てたりすることは日常茶飯事です。

そのため、急なサービス依頼にも対応できるヘルパーさんを増やす取り組みが必要です。例えば担当以外のヘルパーさんに同行をしてもらい、利用者と顔合わせをさせておくなどです。

②:相性やスキルを加味する必要がある

訪問介護サービスは、人と人で成り立っているので、利用者さんとヘルパーさんの相性は大切です。利用者さんとヘルパーさんの気質が合わない場合もありますし、ヘルパーさんのスキルに利用者が不安を抱く場合もあります。

例えば、静かに過ごしたい利用者さんへ、明るく元気なヘルパーさんを割り当てると「ヘルパーさんの挨拶する声が大きくて嫌だ」などというクレームが入ることがあります。新人のヘルパーさんだと「安全に移動介助してもらえるか不安」と断られてしまうケースも少なくありません。

訪問介護のスケジュール管理の担当者は、相性やヘルパーさんのスキルを加味して、利用者さんとヘルパーさんをマッチングする必要があります。

③:変更したスケジュールを毎度周知する必要がある

ヘルパーさんのスケジュール調整だけでなく、変更したスケジュールをヘルパーさんに確実に伝えることも、簡単ではありません。スケジュールの変更が前日までに決まれば、朝のミーティングで周知できますが、日中に変更があると周知が容易にはできません。

急なスケジュールの変更をヘルパーさんへ電話で伝えようにも、サービス中や移動中で電話に出ないこともあり、スケジュール管理の担当者がヘルパーさんのいる所まで出向いて伝えるケースも少なくありません。

訪問介護のスケジュール管理の方法

ここまで、訪問介護のスケジュール組みの難しさを解説しました。ここからは、どのようにスケジュール管理をするのが良いかをご紹介します。

訪問介護のスケジュール管理方法は、各事業所によって異なりますが、よく利用される3つの方法をご紹介します。

  1. Excel(エクセル)での管理
  2. ホワイトボードでの管理
  3. 専用システムでの管理

①Excel(エクセル)での管理

エクセルは、コストをかけずに導入できるので、よく使われるツールです。

メリットは、簡単に入力でき、情報共有しやすいという点です。

デメリットは、修正した細かな情報を伝達しづらいという点です。

実際、多くの訪問介護事業所では、スケジュールの細かな修正は手書きで行っています。エクセルで作成したスケジュール表に上書きするので、読み間違えやサービスの抜け落ちなどのミスが生じやすくなります。

エクセルと手書き中心のスケジュール管理をしている事業所では、例えばヘルパーさんにスケジュールが正確に周知されず、2名のヘルパーさんが同じ利用者を訪問してしまう事例も珍しくありません。

②ホワイトボードでの管理

大きなホワイトボードを利用して、ヘルパーさんのスケジュールを管理している訪問介護事業所もあります。

メリットは、全員が瞬時に予定を確認することができる点です。「見える管理」をすることで、修正を入れても容易に間違いに気付くことができます。

デメリットは、外から情報を確認しづらい点です。ホワイトボードに書いたスケジュールを印刷して修正したり、外出する人に配ったりして工夫していますが、結局、電話でのやり取りが増え、非効率的になる傾向があります。

③専用システムでの管理

最近は、スケジュール管理ができる専用システムを導入する訪問介護事業所があります。

メリットは、スケジュール管理担当者の心理的負担や残業を減らし、ミスも削減できるという点です。

デメリットは、システム導入にはコストが掛かるという点です。

システム導入により、スケジュール管理をデジタル化できると、サービス実績も正確に入力できるので、業務全体の効率も上がります。

スケジュール共有をより簡単にするスケジュール管理サービス「サポスケ

ヘルパーさんのサービスが、利用者の生活を支えています。訪問介護において、ヘルパーさんのスケジュール管理ミスは許されません。

スケジュール管理担当者は、日々変わる予定を調整し、最新のスケジュールをヘルパーさんに周知させるために、大変な苦労をしています。

弊社では「サポスケ」というスケジュール管理自動化サービスを運営しています。

スケジュール管理のサービスはいくつもありますが、とくに訪問介護、訪問看護など、どこかに誰かを派遣してお仕事をする業種の方が使いやすいように設計されているという特徴があります。

急なスケジュール変更も、瞬時に調整でき、ヘルパーさんへの情報共有もワンクリックで行えます。

もし現場の負荷を減らすことに興味がございましたら、こちらのリンクから詳細資料のダウンロードができますので、ご参照ください。

エクセルやホワイトボードなど、慣れ親しんだ方法を変えるには勇気がいるかもしれません。

しかし、「サポスケ」を導入すれば、手書きでスケジュールを修正する時間や、連絡がつかないヘルパーさんへ電話をかけ続けるストレスなど、スケジュール管理担当者の残業や精神的負担を削減できます。

パソコンなどデジタル機器が苦手という方もご安心ください。
弊社は、スケジュール管理担当の方へ使い方を丁寧に説明するだけでなく、ヘルパーさん向けの説明会や勉強会もフォローいたします。

もし現場の負荷を減らすことに興味がございましたら、こちらのボタンから詳細資料のダウンロードができますので、ご参照ください。

この記事をシェアする

この記事を書いた人

サポスケを活用しませんか?

サポスケについて、実際の画面を確認しながら更に詳細を知ることができます。
是非お気軽に資料をダウンロードしてください。